集合住宅物件への太陽光発電システム設置について
賃貸アパートの屋根は個人住宅よりも大きいので、より大出力のソーラーパネルを設置して、たくさん太陽光発電し、売電収入を得ることができます。自治体によっては、補助金が出るケースもございます。
ソーラーパネルで発電した電気は、ごく一部が共用設備などで使われる以外は、ほとんどを余剰電力として売電できます。ポイントは出力を10kW未満に抑えることで売電単価を、通常の住宅向けと同じ高単価にすることが可能です。
また、太陽光発電が普及したことによる「部品の価格低下」や、施工業者の技術力が上がったことによる「低コスト化」により設置費用が低くなりました。
太陽光パネルの価格は年々下がっているのにも関わらず、実は太陽光パネルの発電効率は年々上がっています。発電効率とは、太陽エネルギーをどれだけ電気エネルギーに変換できるかを表した数値で、日射量(太陽光の量)や設置角度などが同じ条件の場所に設置した場合、変換効率が高いパネルの方がより多くの電気を発電することができます。
つまり、毎年設置費用は下がっているのに発電量は上昇しているわけですから、「売電価格が下がっている」といっても、十分に投資として利益を確保するチャンスはあるということになります。
10年前と今
(25kW搭載)
(年間)
売電収入
2011年
設置費用
1,250万円
売電単価
(1kWあたり)
42円
100万円
利回り
8 %
2021年
350万円
19円
47万円
13.4 %
システム導入のメリット
資産形成
所有資産の屋根を有効活用でき、アパート・マンションのオーナー様には非常にローリスクハイリターンの魅力的な商材です。10kW未満の場合は余剰買取制度となりますが、共用部の照明など使用する電力が少量なので、ほとんどの発電電力を売電でき、余剰の場合でも非常に高い利回りを実現できます。短期間で設置費用の回収が可能です。
定期収入
マンションやアパートは、屋根が大きいので太陽光パネルの設置面積をより大きく確保できますし、枚数も増やすことができます。太陽光発電の投資回収が完了したと仮定すると、黒字化が容易なので、賃貸収入が減少した際の穴埋めも可能となります。つまり、経営の安定化につながります。
売電収入は入居率に左右されないため収入増大が見込めます。
経費削減
発電した電力を共有部で使用することで電気代の節約となります。
また、屋根の劣化も防げますので、定期的に必要な屋根塗装の修繕費を抑えることができます。中には100万円以上お得になるケースもございます。
節税対策
所定の要件を満たせば、取得価額を初年度に即時償却できるようになります。
減税適用内容は、各企業様の会社規模や経営状況により異なりますので、会計士・税理士様にご確認ください。
環境保全
入居者の快適性
太陽光パネルを設置することで断熱効果を生みだし、屋根下の部屋の暑さを軽減させることができ、退去率の低下が期待できます。
特にアパート場合、夏場の2階の部屋はサウナ状態で非常に暑さが厳しいので、断熱効果は入居者にとっては大きなメリットです。
自動販売機や課金制のコインランドリーなどの設置はよく見かけますが、最近では課金制のEV充電スタンド設置も増えてきています。将来的にEV充電設備を整えるのもいいですね。
災害時の備え
太陽光発電システムは、売電や入居率などの投資目的だけではなく、災害時の非常電源としても使用出来ますので、入居者の生活を守る上でも非常に大きな役割を果たします。
停電時に入居者や地域住民の方にスマホの充電電力を供給することも可能です。また、蓄電池との併用により、災害時も廊下の照明やエレベーター、また集会室などでコンセントが利用できるというメリットがあります。
非常用電源があれば、入居者に対するサポート体制が評価される要因になるので、災害に強いマンションとしての付加価値を高め、長期的な入居に繋がるメリットを得られます。
集合住宅物件への太陽光発電システム設置はオーナー様にとって大きなメリットを生み出します。もちろんデメリットもございますので、それをきちんと踏まえて検討されることをお勧めいたします。